前回の記事では、Instagramが動くルール(アルゴリズム)と、アルゴリズムに基づいて投稿を拡散させる秘訣をお伝えしました。
今回の記事では、フォロワーが増える仕組みという観点で、さらにていねいに「アルゴリズムに沿ってフォロワーをのばす方法」をお伝えします。
今、フォロワーが伸びていなくて、なぜ伸びないかわからない方、Instagramの運用をはじめたばかりで、なにが正解かわからない方、ぜひInstagramのアルゴリズム(システムの仕組み)に沿った運用を習得し、省エネでフォロワーを伸ばしてゆきましょう。
※この記事は、<株式会社sakiyomi>による寄稿コンテンツです。
Instagramマーケティングの戦略設計から施策実行までを、一貫してご支援。100社以上、累計350万フォロワーの実績と運用データをもとに、最適なアカウント運用をご提案いたします。
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目次
フォロワー獲得のために意識すべき、4つのSTEPとは?
フォロワー獲得のために、投稿を拡散させることが重要なのはもちろんですが、じつはそれだけでは不十分です。
拡散した投稿を見たユーザー(リーチ)を、プロフィールに誘導し、プロフィールに飛んだユーザーをフォローにつなげなければなりません。
このように、最終的にフォロワー獲得につなげるためには、次の4つのSTEPを意識する必要があります。
意識すべき、4つのステップ
STEP1:フォロワーとの継続接触
STEP2:投稿へのアクション促進
STEP3:プロフィールの改善
STEP4:投稿からプロフィールへの導線改善
この記事を読んでくださっている方のなかには、ハッシュタグとかの方が大事じゃないの?と思われるか方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アルゴリズムの記事でもお伝えした通り、ハッシュタグの拡散力は大したことはなく、ハッシュタグに注力するのは、時間と労力がもったいないのです。このことは、以下の図からもご理解いただけるかと思います。
上の図のとおり、発見タブが強い拡散力を持つため、この発見タブでおすすめされることが、投稿拡散の近道です。
投稿の拡散については、アルゴリズムの記事で詳細をお伝えしていますので、ぜひそちらもご覧ください。
そして、今回お伝えしたいのは、いかに投稿拡散をさせるか、ということも大事ですが、それと同じくらい「4STEP」、つまり投稿拡散以外の部分も、大きなインパクトを持つ、ということです。
たとえば、閲覧数(リーチ)が同じでも、プロフィールに飛ぶ割合が3%から6%に変化するだけで、フォロワーの獲得数は2倍になります。
というところから、これらの部分の重要性がご理解いただけるかと思います。
ということで、投稿の拡散からフォロワーの獲得までを最大化するために、どのようなことをすべきなのか、ということを、具体的にご説明します。日々の運用に役立てていただければと思います。
▼4ステップで、具体的にすべきこと
STEP1:フォロワーとの継続接触
フォロワーと継続的に接触することで、エンゲージメント(なかよし度)を高める必要があります。
コンテンツの質だけを高めていても、フォロワーが伸びるわけではない理由は、Instagramのアルゴリズム上「投稿の質」だけでなく「アカウントの質」が重視されている点にあります。
そして、アカウントの質を高める方法こそ、「エンゲージメントを高める」ということ。
一方で、現フォロワーとの関係で得られる「エンゲージメント」が、新フォロワーの獲得にほんとうに影響があるのか、疑問に思われる方もいるかと思います。
じつは、弊社のアカウントでは、エンゲージメントと新規フォロワーの獲得の関係が、数字的に証明されています。
以下の図をご覧いただきたいのですが、保存率に変化がないとしても、エンゲージメントスコアが上がることで、大幅にフォロワーの獲得数は拡大しています。
フォロワーの獲得数の拡大において、エンゲージメント向上が重要であることがご理解いただけたかと思います。
エンゲージメントには、フォロワーとの継続的な接触が必要、とご説明しましたが、その接触には、コミュニケーションの量と質、どちらも大切で、両方からのアプローチが必要です。
コミュニケーションの量は、フォロワーとの接触回数と接触時間、コミュニケーションの質は、フォロワーとの相互交流の度合い、で決定します。
コミュニケーションの量の増加は、投稿頻度を高めること、フォロワーとの接触時間を伸ばすこと、で達成でき、コミュニケーションの質の向上は、DMやストーリー、コメント欄などでフォロワーとコミュニケーションを取ること、で達成できます。
ここからは、さらにくわしく、どのような施策をおこなう必要があるか、ご説明いたします。
コミュニケーションの量と質を担保するための、具体的なアクション
1. 2日1投稿(理想の投稿頻度は、1日1投稿)▶︎コミュニケーションの量
投稿の頻度は、「コミュニケーションの量」を担保するという点で、重要です。
定期的に投稿することで、Instagram側に、フォロワーと積極的にコミュニケーションを取っている、優良なアカウントと判断され、投稿が拡散されやすくなります。
前回の記事では、保存率を高めることで投稿が拡散されやすくなる、とお伝えしましたが、投稿の質(保存率の向上)と投稿の頻度の両立は、むずかしいのが現実です。
まず、2日1投稿を実施した上で、Instagramに割ける時間のなかで、投稿の質に注力する、という形がおすすめです。
2. リールの投稿▶︎コミュニケーションの量
リールとは、最大で60秒の動画を投稿できる機能です。
通常のフィード投稿より滞在時間が長いため、フォロワーとのコミュニケーションの量を確保できます。
それだけでなく、リールは現在のアルゴリズム上、通常のフィード投稿より拡散しやすくなっていて、フォロワーが0~3,000規模のアカウントでも、フォロワー外に数多くリーチします。
弊社では、フォロワーが600程度であるにも関わらず、リールでは3万リーチを獲得した例がありました。
この例からもわかるように、リールは、初期アカウントにとって、たいへんメリットの大きい施策になるので、積極的に取り入れていきましょう。
頻度としては、2日に1投稿できるのが理想です。リールとフィード、どちらを優先すべきか、というのは、ターゲットが求めているものを伝える手段として、適性があるのはどちらなのか、で変化するので、どちら、とは言い切れません。
リールとフィードの投稿割合を変えながら、どちらも投稿し、優先順位をつけるのがよいでしょう。
3. ストーリー▶︎コミュニケーションの質
ストーリーとは、24時間限定で見られる投稿で、ホーム画面の上部から見ることができます。
機能としては、閲覧・コメント・リアクション・アンケート機能・クイズ機能などに対する反応、などです。
このストーリーを使って、1人ひとりのフォロワーとコミュニケーションを取ることができ、Instagramで重視される、相互コミュニケーションの確保、つまりコミュニケーションの質の向上に役立ちます。
具体的には、投稿を上げたときのニューポストストーリー(新しい投稿を上げたことを、フォロワーに知らせるためのストーリー)、1週間に3度ほどのストーリー施策(クイズや質問ボックスでの、アクション促進)がおすすめです。
ショップオーナーさんからのご質問が多いのは、リールとストーリー、どちらを優先すべきか、という内容です。
結論から申し上げますと、「役割が違うため、どちらも重要」です。
ただ、ニューポストストーリーは、1~2分ほどで作ることもできるので、Instagram運用に時間が割けない方は、ニューポストストーリーだけふだんの運用のおまけで実施する、などと決めておくとよいでしょう。
4. DM▶︎コミュニケーションの質
こちらは、フォロワーと1対1でおこなわれる、閉じたコミュニケーションの場です。
この内容は、ほかのフォロワーには見られません。ホーム画面の右上の、紙飛行機の部分からおこなえます。
DM機能は、利用しすぎると、Instagram側からスパム行為と判断され、アクション停止やアカウント凍結につながるおそれがあるため、注意が必要ですが(DMは1日10件未満におさえておきましょう)、うまく使うことで、ストーリーよりもさらにフォロワーとの密な相互交流ができ、コミュニケーションの質の向上に有効です。
DM機能のおすすめの使い方は、ストーリーでコメントを促し、DMのコミュニケーションに誘導する、という施策です。
5. インスタライブ(上級者編)▶︎コミュニケーションの質と量
インスタライブは、ストーリー上でライブ配信できる機能です。長時間の配信が可能で、フォロワーからの質問に答えるなどもできるので、複数のフォロワーと密なコミュニケーションがまとめて取れます。
この施策は、コミュニケーションの量・質にアプローチするものです。
インスタライブのポイントは、以下の2点です。
5-1. 事前に実施日時とテーマをストーリーなどでお知らせし、あらかじめ集客しておくこと
5-2. 途中からの参加者も多いので、途中参加でも「今、なにをしているのか」がわかるような工夫をしておくこと(トークのテーマを画面に写しておく、など)
話すことが得意な方でない場合、インスタライブは心理的にもハードルが高くなってしまいますので、むずかしければ、無理にご自分で実施する必要はありません。
インフルエンサーに依頼したり、ほかの施策を多めにおこなうなど、工夫してみてください。
具体的なアクションの前に、ここをチェック!
ここからは、上記で紹介した具体的な施策のなかで、リールとストーリーに関して、とくにチェックするポイントをご紹介します。
リールの選定・作成ポイント6点(これが、伸びるリールだ!)
弊社で分析した結果、人間の認知バイアスに合致しているリールが、バズる傾向があります。そのポイントをかいつまんでお伝えします。
✅ 最初の1秒間で、ユーザーを引き込む工夫をしている
→何についてのリールかがわかる、(のちほど解説します)認知バイアスが盛り込まれている
✅ 美男美女が映っている
→ある項目の著しい高評価が、ほかの評価にも影響する(ハロー効果)という、認知バイアス
✅ 流行りの音楽を使っている
→先に触れた情報に影響を受ける(アンカリング効果)という、認知バイアス
認知バイアスではないが、バズりやすいポイント
✅ 感情に訴えるコンテンツ
→うれしい・悲しいなど
✅ 禁止の文言が入ったコンテンツ
→閲覧禁止!・これはNG、など
✅ 予測不可能性
→最後になにかが起きる(と思わせる)・どんなものができあがるか期待させる
ストーリーにアクションスタンプを付けていますか?
アクションスタンプとは、ユーザーが反応できるスタンプのことです。
これは基本となるポイントですが、せっかくストーリーを公開するのであれば、かならず押さえていただきたいポイントです。
アクションスタンプがなければ、Instagram側に、フォロワーとの相互交流の度合いが低い、と判断されてしまいます。質問内容に困る場合、絵文字スライダーを付けておきましょう。
STEP2:投稿へのアクション促進
フォロワーとのなかよし度を高め、フォロワーに投稿を見てもらえるようになったら、次は投稿への満足度を高め、アクションを増やしてもらう必要があります。
投稿へのアクションを促進するため、ユーザーが満足するコンテンツを作成しましょう。
投稿へのアクションを促進する、具体的なアクション
- 1. 保存率の向上
Instagramにおいて、「いいね」はあまり重要ではありません。もちろん、「いいね」がないよりは、ある方がよいのですが、投稿が拡散されるかに大きく関係するのは、保存です。
つまり、投稿を作るさいは、保存につながる、つまりフォロワーが「見返したい」と思えるコンテンツを作ることが大切です。
くわしくは、こちらの記事でご説明していますので、ぜひご覧ください。
2. 促進画像による、アクション促進
投稿の最後に、保存を促す促進画像を入れてみましょう。保存を訴求することで、投稿に満足してくれたユーザーが、保存してくれる確率が高まります。
この促進画像では、プロフィールへの遷移も訴求できるので、どちらも訴求するのがおすすめです。
ここをチェック
外してはいけない! 保存率UPのポイント、5点
保存率を上げるくわしい方法は、ターゲットを惹きつけるコンテンツフレームワーク【ネットショップ編】を見ていただきたいのですが、すぐに真似したい方向けに、ポイントをかいつまんでお伝えします。
じつは、保存されるポイントは、ほんとうにアカウントによってケースバイケースで、ぜひ試行錯誤をしていただく思います。
そのことを念頭においた上で、「基本となるポイント」としてご覧いただければ幸いです。
✅ 全投稿共通
・表紙と2枚目以降に、乖離がないか
・ユーザーにとって、意外性があるか
✅ 情報系(商品の場合)投稿の場合
・値段の記載があるか
・販売元の情報があるか
※保存する=次に見返そうと思う、ということなので、商品紹介という形を取る場合、実際にそのアイテムを買おうと決心するとき、つまり購入時に確認する情報(値段や販売元)を入れておくことが重要です。
※もちろん、前提として、商品自体の魅力(流行りなど)も大切です。ただ、なにが魅力的かは、ターゲット・フォロワーによって変わることは、注意が必要です。
✅ How to系投稿の場合
・投稿内容を見て、真似できるか
※手順などが、くわしく書かれているか
せっかく作った促進画像、切れてないですか?
Instagramのフィード投稿には、縦長投稿と正方形の投稿があります。
どちらかのサイズに合わせた促進画像だけだと、投稿のサイズを変えたときに、途中で切れてしまいます。
肝心の訴求内容が伝わらないだけでなく、フォロワーに、投稿の粗さを感じさせる原因ともなってしまうので、少し気をつけてみてください。
- 2種類のサイズを作る
-
1. 正方形→縦:横=1:1
2. 縦長投稿→縦:横=4:5
STEP3:プロフィールの改善
投稿へのアクションが増えると、Instagram側から「有益な投稿」と判断され、フォロワーと同じ嗜好をもったほかのユーザーに、リーチ(閲覧)されるようになります。
リーチした先で、投稿に興味を持ってもらえたら、フォローしてもらう大きなチャンスの到来です。
フォロー画面である、プロフィールを整備して、やってきたユーザーに、アカウントをフォローするメリットを訴求し、数多くのフォローを獲得しましょう。
プロフィール改善のための、具体的なアクション
- プロフィール文・アカウント画像改善
フォロワーが増えていないときは、プロフィール文やアカウント画像についても、見直す必要があります。
この部分は、ユーザーがアカウントをフォローするか決めるのに重要になってきます。
たいせつなのは、アカウントの一貫性。文章や画像だけを変えるだけでなく、ターゲット・ペルソナの再確認、場合によっては修正もふくめ、アカウント全体を再設計しましょう。
アカウントの設計方法については、下記の記事をご覧ください。
https://baseu.jp/guide/6/23697
2. ハイライトの整理
ハイライトとは、プロフィール画面の真ん中あたりに表示される、過去のストーリーを一覧でコレクションしている部分です。
ユーザーは、アカウントがどのような情報を発信しているのかを手軽に知りたいとき、また、特定の種類の情報だけを手軽に知りたいときに、ハイライトを見ます。
ハイライトを整理するメリットは、おもに2つ。1つは、ハイライトを通じて、情報を効率的に伝えられるということ。もう1つは、ハイライトを見ないユーザーに対しても、アカウントの充実をアピールできる、ということです。
2つ目のメリットも重要なので、投稿数が少ないアカウント(投稿数10ほどの場合)でも、積極的にハイライトを作ることをおすすめします。
ハイライト整理チェックポイント、3選
✅ 項目は、4項目以上つくっていますか?
→4項目以下だとプロフィール画面がさみしくなるので、4つ以上作ってみましょう。
✅ 色味は、アカウント画像と統一感がありますか?
→プロフィール全体を見たときに、きれいに見えるよう、プロフィール画像とのバランスにに気を遣いましょう。
✅ ハイライトから、内容がわかりますか?
ハイライトは、ハイライト画像と文言で構成されています。アカウントのコンセプトによって、適切なハイライトは異なりますが、「わかりやすく簡潔に」がポイントです。
コンセプト別、ハイライト紹介
アカウントの設定に応じて、適切なハイライトは異なります。そこで、アカウントの立ち位置によって適切なハイライトが変わる、という例を以下で例示します。
編集部といった体裁でのアカウントであれば、ハイライトにもイラストやロゴを使うことで雑誌感を、個人ではハイライトに写真を入れることで人感を出しています。
何が適切かを定義することは難しいですが、ハイライトもアカウントの雰囲気を構成する重要な一要素であるということを押さえていただくといいと思います。
STEP4:投稿からプロフィールへの導線改善
もちろん、投稿に満足して、自然にプロフィールに移動してフォローしてくれるユーザーもいます。
しかし、それだけでは、プロフィールへの移動を最大化できているとは言いがたいです。
投稿から、プロフィールにアクセスしてくれるユーザーを増やすことで、最終的なフォロワー増加の最大化につなげましょう。
導線を改善する、具体的なアクション
- 促進画像からの導線設置
投稿の最後に挿入して、ユーザーにアクションを促す促進画像。
この画像でプロフィール遷移を訴求して、フォローができる画面にユーザーを誘導しましょう。
2. キャプション文からの導線設置
キャプション文というのは、投稿の文章部分のこと。
この文章に@アカウント名を入れることで、プロフィールに飛べるようになっているので、キャプション文でアカウントを紹介して、プロフィールへユーザーを誘導しましょう。
ここをチェック▶︎促進画像やキャプション文の訴求と、プロフィール文の訴求に、矛盾・違和感はありませんか?
促進画像でも、キャプション文でも、プロフィール文でも、多かれ少なかれアカウントの紹介をすることと思います。
すべてを作り終えたら、もう一度3項目、すべてを見返すようにしてください。アカウントの紹介に矛盾があると、ユーザーは不信感を抱いてしまいます。
- STEP1:投稿へのアクション促進
- STEP2:フォロワーとの継続接触
- STEP3:プロフィールの改善
- STEP4:投稿からプロフィールへの導線改善