前々回の記事で、Instagramのアルゴリズムを攻略するには保存率とホーム率が重要であるということをお伝えしました。
そして前回の記事で、フォロワーを獲得していくための4STEPについて解説していきました。
ここからは実際にアカウントを作ってコンテンツを作り、フォロワーを増やしてくという実践的な部分を解説していきます。
「保存率・ホーム率」がどれだけユーザーに支持されるかを測る指標ですが、そのためにはアカウントにユーザーを集めてくる必要があります。
ユーザーを集めてくるときの道標となるのがアカウント設計です。アカウント設計はどんなユーザーをどのように集めるかを決める役割を持っています。
ここがブレると、「ユーザーが投稿に興味は持つがフォローに繋がらない」「ほしいユーザーが集まらない」という事態が起こります。
今回は、1万フォロワーに到達できるアカウント設計を、4つのステップにわけて解説します。
※この記事は、<株式会社sakiyomi>による寄稿コンテンツです。
Instagramマーケティングの戦略設計から施策実行までを、一貫してご支援。100社以上、累計350万フォロワーの実績と運用データをもとに、最適なアカウント運用をご提案いたします。
【アカウント運用実績】 ・6ヶ月で20万フォロワー
・運用開始12ヶ月で月間3,000万PV(インプレッション)
・累計350万フォロワー(自社アカウントとクライアントアカウント両方をふくむ)
目次
事前準備(アカウント設計をはじめる前に)
さっそく、STEPごとに解説していきたいところですが、その前に、大事な事前準備をおこないましょう。
アカウントの設計のアイデアを出すさいには、まず土台となる情報が必要です。たとえば、20分と時間を決めて、できるだけ下記にのっとって、多くの情報を集めてみてください。
収集する情報 | 例 |
---|---|
売りたいモノの情報 | 何を売るのか 誰に向けて売るのか なぜ売るのか 商品を売ることでお客様にどうなってほしいか など |
競合の情報 | 何を売っているのか 誰に向けて売っているのか 違いはなにか等 |
BASEショップのインサイト機能で見る顧客情報 ※ショップ開設済みの場合 | 商品閲覧数・商品別お気に入り数…人気の商品が分かる SNS流入数…SNS活用の理想と現状が分かる |
※ここでは、役に立つ・立たない、は気にしなくてもかまいません。
これからBASEをはじめられる方は、インサイト情報以外から考えてみてください。
- とにかく、最初は周辺情報を集める
STEP1:ターゲットを決める
それでは、ここからはアカウント設計に入っていきます。
自ショップの商品を売りたい人を具体的にイメージして、その人に刺さるアカウントを作っていきます。まず、以下の観点を考えて、ターゲットを具体的にイメージしましょう。
・年齢
・性別
・職業
・日常的な行動
・趣味嗜好
・服装、体型、髪型など
- 身近な人物に置き換えられるほど、具体的に想像することで、ターゲットがブレにくくなります。
- →いつも服を買うブランド、よく見るインスタグラマーなど、日常生活の細かな部分まで考えてみましょう。
- 日常生活のなかで、ターゲットがどこに不満や不都合を抱えているか、考えてみてください。
- →作るアカウントをフォローすることで、その不満や不都合を解消できるようになる、と考えることができ、次につながります。
- 商品を売る、具体的な人物のイメージを作る
STEP2:お手本をまねてみる
「伸びる」傾向をつかむことが、成功への近道です。
まずは、自分のターゲット層が集まっていると思われる、大規模なアカウントを探しましょう。その後、そのアカウントの共通項を導き出します。
(具体例を知りたい方は、合わせて5の実例をチェックしてください)
アカウントを探す(ロールモデルの設定)
そのためのステップとして、Instagram上で、下記に当てはまるアカウントをまず探してください。
・自ショップのターゲットが好みそう
→ジャンルが異なっていてもOKです。アカウントがすべきことは、商品の紹介ではなく、ターゲットを惹きつけるコンテンツを作ること、だからです。
・大規模
→大規模アカウントの基準:1万以上のフォロワー
→Instagramにおいて、ニッチなジャンルの場合は、ジャンル内で上位3つが目安です。
・オーガニックでフォロワーが増えている
→PCからアカウントをチェックして、各投稿の「いいね」数が伸びているかどうか、を参考にしましょう。
- ブランド名で勝負しているアカウント、インフルエンサーが運営しているアカウント、は省いて考えてください。
なぜなら、ブランドやインフルエンサーは、もうすでに存在している「ブランド力」で集客しているからです。
ロールモデルアカウントから、共通項を探す
次に、先ほどピックアップした、ロールモデルの共通項を探していきます。見るべきポイントは、以下の4点です。
・アカウントのスタンス(人感がある、編集部系)
・プロフィール画像の色味・系統
・プロフィールの書き方(言葉使い・文字)
・投稿の表紙(トンマナ・アイキャッチ方法など)
※この共通項探しは、アカウント設計段階だけでなく、運用段階でも継続しておこなってください。
- ターゲットに刺さる、大きなアカウント3つをお手本にして、共通項を導き出す
STEP3:オリジナリティを出す
ほかのアカウントの設計において、伸びる要素を踏まえながら、差別化されたアカウントを考えます。
フォロワーに「このアカウントだからこそフォローする」と思ってもらえるアカウントに育てていきましょう。
自由な考えで、「おもしろそう」なアカウントを考える
ここでは、さきほどの「ロールモデル」を一度頭の外に置き、ただ「こんなアカウントがおもしろそう、いいな」を見つけてください。
-
- 思いつかないときは、このような観点で考えてみてください。
- ロールモデルと差別化するには
- ターゲットが見たい内容か
上で出たアイデアを、絞る
さきほど出したアイデアのなかから、以下の6つのすべての観点を満たしているもの、を選びましょう。
- ロールモデルと差別化されているか
ロールモデルの共通要素をふくんでいるか
ターゲットがフォローしたくなるか
ユーザーがよろこんで見たいと思うか
アカウント運用に、コストはかかりすぎないか
ユーザーに保存される投稿であるか
- 「おもしろそう」なアカウントを数多く出した上で、以下の6つの観点に当てはまる案を採用する
STEP4:実例で解説
では、実際にすべてを踏まえて、アカウントを設計していきます
前提条件は、下記とします。
ショップジャンル:アクセサリー
販売商品:ピアス・イアリング
1. ターゲットを決める
ショップや販売商品の雰囲気から、考えます。
ターゲット | 25歳から35歳女性 |
---|---|
ペルソナ像 | ・28歳女性 ・独身 ・彼氏いる ・シンプルコーデ好き ・洋服のメインカラーは生成りの白・茶色 ・髪の毛は暗めの茶色 ・好きな雑誌はmina ・お部屋もシンプルで小さなサボテンが飾っている ・バリキャリではなく、ワークライフバランスを大事にしている ・休日に友達や彼氏とカフェ巡りをするのが楽しい ・ただ家でゆっくりするのも好き(一人の時間も大事) ・最近買ったコーヒーメーカーでコーヒーを淹れて一人で楽しむ ・洋服を探すのは楽しいけど、そもそもどんなコーデが自分の理想か分からない |
2. お手本をまねる
ロールモデル選定ですが、ここでは、以下のファッション・トレンドアカウントをお手本にしました。
a. @velle.jp
b. @closet_press
c. @tanshokujoshi_official
- アクセサリーではなくファッションをジャンルとして選んだ理由
→アクセサリーアカウントで、情報が充実したコンテンツがない(試行錯誤で一から作るのは、コストが高い、と判断)
→アクセサリーに興味がある人の多くは、おしゃれ全般に興味がある、と考えられるから、ファッション・トレンドに広げてもターゲットがブレない
共通項を探す
ここからは、ロールモデルの共通項を見つけていきましょう。ざっと確認すると、以下のような共通項を見つけることができます。
・プロフィール画像
→英字ありa, b, c
→暖色系メインa, b, c
アカウント名・プロフィール文
→ジャンルがアカウント名で明言されているa, b
→双方向性があるa, b, c
投稿(表紙)
→写真がメインa, b, c
投稿(内容)
→ファッションのみならず・コスメ・カフェなど幅広く投稿a, b, c
→文字が多いものと、写真がメインのもので、わけているa, b, c
3. オリジナリティーを出す
共通項を見出せたら、最後は、オリジナリティあるアカウントを考えてみましょう。今回は、以下のように考えてみました。
・扱うファッションのジャンルは、カジュアル系
・コーデに合うアクセサリーを提案する投稿を入れる
NG例:コーデを自分で考え、自社製品と合わせる
→服を買う・写真を撮るのにコストがかかる
いかがでしょうか? なんとなく、アカウント設計の手順が理解できたかと思います。
BASEショップジャンル別、おすすめロールモデルアカウント
BASEでショップを運営される方は、さまざまなジャンルを扱っていらっしゃると思いますので、ここでは、ジャンル別におすすめのロールモデルを紹介します。
ファッション・ハンドメイド
- ①アカウント名から、投稿ジャンルがわかる
- ②箇条書きで、一目で内容がわかる
- ③プロフィール文で、アカウントをフォローするメリットがわかる(高見え・お得な洋服)
- ④フィード投稿で、色味を統一している
- ⑤文字入れと文字なしで、トンマナをそろえている
食品
- ①アカウント名から、投稿ジャンルがわかる
- ②食品の写真がキレイに映っている
- ③写真に載らない情報(店名・商品名・口コミ・値段)は、くわしくキャプション文に記載して、情報量を充実させている
- ④キャプション文には、お店のメンションをつけて利便性を徹底
多くの方が陥りがちな、アカウント設計の罠
「すぐに商品を売る」ことを考えて、インスタアカウントでショップの商品を載せようとしていませんか?
これは、危険な手法です!
というのも、InstagramユーザーがPR感を抱いてしまい、嫌悪した結果、フォロワーが集まらない可能性があるから、です。
まずは、「ユーザーがよろこぶ」ことを重視したコンテンツを考え、「ショップの商品を気に入ってくれそうな人達の集団」=フォロワーを作りましょう。
- 「すぐに商品を売れる層」ではなく、「のちに商品に興味を持ってくれそうな層」を集めることを意識することが、重要です。
こんな疑問もあるのでは?
自社商品を載せることで、大規模なフォロワーを獲得しているアカウントもあるじゃないか、その方が「商品販売」への近道では?と思われるかもしれません。
じつは、アカウント設計には、2通りあるのです。
①ブランディング型=自社製品のみを紹介するコンテンツ
→ブランド名の検索により、ユーザーが集まる
②コンテンツマーケ型=ユーザーの興味に合わせたコンテンツ
→コンテンツ内容に惹かれたユーザーが集まる
①のブランディング型は、すでに認知度があり、ファンも多い、有名ブランド・インフルエンサーの手法です。
実店舗や、すでにコアなファンがついている場合を除き、きびしい手法になります。
一方で、②のコンテンツマーケ型は、知名度が必要ありません。つまり、この手法こそ、ファン集めを0からおこないたい、BASEオーナー向けの手法、といえるのです。
- アカウントコンセプトは、今後の運用か、商品の販売までを左右する点で、重要です。
- ロールモデルを見つけて、自分だけのオリジナリティを出していきましょう。