個人でネットショップをはじめたいけど、はじめてだとわからないことばかり!という方も多いかと思います。
そこで、この記事では、個人でネットショップをはじめるにあたって、知っておきたい項目をおさえつつ、個人向けにおすすめなネットショップ作成サービスを紹介します。
ちなみに、「どのサイトを使うか?」というのが、個人がはじめるさいには非常に重要です。
なぜなら、個人の場合は潤沢な資金もないですし、くわしい専門家がそばにいてその人に丸投げする、といったこともむずかしいからです。
こういったことも踏まえつつ解説していきますので、なんとなくでいいので、頭のなかに入れていただければと思います。
目次
個人でネットショップを開業する流れ

まず、個人でネットショップを開業する場合、どのような流れで進めていけばいいのでしょうか。ここでは、以下の7つのステップにわけてご紹介していきます。
- 事業計画の立案
- 商品の仕入れについて
- 販売可否の確認
- 必要な届け出・許可の取得
- 出店方法を決める
- ネットショップの構築
- 個人事業主・開業届の提出
- 確定申告(青色申告)の届け出
それぞれのステップについて解説します。
事業計画の立案

ネットショップを開業する前に、まず事業計画の立案をおこなうことが大切です。事業計画、というと、ちょっとおおげさですが、お店のプランを決めましょう、ということです。
具体的には、販売商品の選定やショップのコンセプト、予算などを決めていきます。
とくに、「何を売るか」「どんなコンセプトのショップにするか」という2点は、ほかのショップとの差別化にもつながりますので、慎重に考えたいポイントです。
コンセプトは、ターゲットとする顧客をはっきりとさせたうえで、「誰に・何を・どのように」商品を提供するのか、を考えることが基本です。
商品の仕入れについて
個人でネットショップの運営を行うさいに悩ましいのが、「仕入れをどうするか?」という問題。
「既製品を仕入れる」「オリジナル商品を作る」という大きく2つの選択肢があります。
既製品を仕入れる方法は、Webを利用したり、自分で足を運んだりと、さまざまな方法があります。下記のページも参考にしてみてください。
オリジナル商品を製作する場合、完全にオリジナルで作るのか、それとも既製品にデザインだけ入れるのか?によって、取り組み方が変わってきます。
「BASE」であれば、「PixiveFactory」などのように、デザインを入れるだけでオリジナルグッズが作れるサービスと連携しているので、かんたんに自分だけのグッズが完成します。
販売可否の確認

ネットショップでは、さまざまな商品を売ることができますが、なんでも売れるわけではありません。
なかには、販売登録が禁止されているものや、規制されているものもあるため、商品を仕入れる前に確認しておきましょう。
たとえば、「BASE」で販売が禁止されている商品としては、覚せい剤や麻薬、鉄砲、アダルトビデオ、たばこ(ニコチンをふくむもの)、現金、偽ブランド品などがあげられます。
くわしくは、以下のリンクをご確認ください。
またお酒や高度管理医療機器、古物(中古品)といった商品を販売する場合は、事前に許可申請をおこなう必要があります。
販売しようとしている商品が、ネット販売可能かどうか、確認しましょう。
必要な届け出・許可の取得

では、具体的に何の商品にどんな許可が必要なのか、例をあげて説明していきます。
商品ジャンル |
必要な許可 |
商品例 |
お酒(ARC.1%以上) |
通信販売酒類小売業免許 酒類小売業免許 酒類製造免許 |
クラフトビール、日本酒、スパークリングワインなど |
高度管理医療機器 |
高度管理医療機器販売許可証 |
コンタクトレンズなど |
古物(中古品) |
古物商許可証 |
中古品、トレーディングカード、アンティーク品など |
食品 |
食品衛生責任者免許 食品衛生法に基づく営業許可証 |
|
このほかにも、商品に応じて、事前に許可申請をおこなう必要がありますので、出品したいものが決まったら、一度調べてみましょう。
※もちろん許可が必要ないものもたくさんあります。
出店方法を決める

個人がネットショップに出店する選択肢としては、「モール型ECサイト」か「BASE」のような「ASP型ネットショップ」などがあります。
出店方法 |
メリット |
デメリット |
例 |
モール型ECサイト |
・集客力が高い |
・必要な費用が高い |
<楽天市場><Yahoo!ショッピング><Amazon>など |
ASP型 |
・低コストで出店可能 |
・自分で集客をおこなう必要がある |
<BASE><カラーミーショップ><メイクショップ><Shopify>など |
「モール型ECサイト」は、大きな企業がたくさん参入しているため、個人だと、資金力の面でかなり不利な戦いを強いられます。
また、契約も最低契約期間が決められていたりするため、個人で入るには不都合が多いです。
そのため、個人ではじめるのであれば、「BASE」をはじめとする「ASP型のネットショップ」がおすすめです。
ネットショップの構築
上記で選んだネットショップで、サイト構築をおこないます。具体的には、ショップのデザインや商品画像のアップ作業、商品の説明文の登録作業、などです。
ここで注意しておきたいのが、商品の登録やデザイン編集がどれだけかんたんか?ということ。
たとえば、「BASE」であれば、すべての作業をスマホで完結させることもできますが、ほかのサービスでは、コードを書き換えないと編集できない、といったことも起こりえます。
むずかしい操作があると、それだけで、せっかく湧いてきたモチベーションを削ぐことにつながりますので、なるべくかんたんなサービスを選びたいところです。
なお、「BASE」には、デザインテンプレートも無料のものと有料のものが用意されています。これらを使用すれば、誰でもとてもおしゃれなデザインにすることができます。
個人事業主・開業届の提出

ネットショップ開業にあたって、個人事業主の開業届を提出することも頭に入れておきましょう。
開業届は、事業を開始した日から1ヶ月以内に、税務署に提出するのが原則です。とはいえ、1ヶ月を過ぎても、罰則などがあるわけではありません。
まずは、ネットショップで商品を販売してみて、商品が売れるようになってきてから開業届を提出する、という方もいます。
開業届の書類は、ネットからプリントできるので、提出するさいは、事前に必要事項を記入しておくと、手続きがスムーズです。くわしくは下記の記事をご確認ください。
確定申告(青色申告)の届け出

開業届の提出と一緒に出しておきたいのが、青色申告の届け出です。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があるのですが、青色申告は、開業届を出しておかないとできないので、気をつけましょう。
青色申告は、白色申告と比べると、確定申告時の手続きにかかる手間が増えますが、そのぶん控除額が高いので、節税対策にもなります。
これから、ネットショップ運営である程度利益を得られるようになってきたら、開業届とあわせて、青色申告の届け出をおこなうことも、頭に入れておきましょう。
参考サイト:一般社団法人全国青色申告会総連合
個人のネットショップで失敗しない秘訣と、おすすめのサイト

はじめてネットショップを開業するにあたって、失敗しないためにはどうすればいいのか、気になる方もいると思います。
成功への近道をいくつかポイントをあげて解説します。
初期投資はある程度おこなおう
初めてショップを開設する場合、最初は失敗を恐れるあまり初期投資を避けてしまうこともあります。
しかし、有料テンプレートは高いから無料にしよう、などといってネットショップでもっとも重要な項目の1つである、デザインを蔑ろにしてしまう可能性もあります。
予算を削ったことで望んだような集客につながらないかもしれません。。
そこで、固定費など分野を絞って投資することをおすすめします。例えばショップ開設時に使うロゴ・写真など、お客さんの目をひく部分にはなるべくこだわりましょう。また、集客するには最初に広告運用費をかけることも大切です。
固定費はおさえる
一方で固定費はおさえるようにしましょう。
というのも、ネットショップ開設当初というのは、よほど爆発力のあるコンテンツがない限り、売上がすくないのが現実です。
そんなとき、ネットショップを持っているだけで、固定費として数万円もかかってしまうと、精神的に追い詰められてしまうからです。
一口にネットショップ作成サービスと言っても、利用するサービスによって、毎月の固定費には大きな差があります。
サービス名 |
月額費用 |
「BASE」 |
0円 |
<STORES> |
0円または2,178円(税込) |
<MakeShop> |
11,000円(税込) |
<カラーミーショップ> |
917円〜7,945円 |
<Shopify> |
$79 |
<楽天市場> |
19,500円~10万円 |
ちなみに注意が必要なのは、上記はあくまでも絶対にかかる費用であり、実際には上記以外にも決済会社と提携するのに費用がかかるサービスや、システム利用料などがかかったりする場合もあります。
「BASE」では、月額費用だけでなく、初期費用もかかりません。費用が発生するのは、商品が売れたときのみ、です。具体的には、販売手数料として6.6%+40円がかかります。
在庫は最低限にしよう

ネットショップ運営にあたって、怖いのは在庫リスクです。
ある程度ショップ運営に慣れてきて、売上の予測が立つ場合、それぞれの戦略によるので、在庫は一概に悪いとは言えませんが、個人で立ち上げたばかり、という場合は、在庫は極力減らしたいところです。
ネットショップでは、そういった在庫リスクをカバーすることもできるのです。
たとえば、「BASE」とも連携している「pixiveFACTORY」では、受注生産でオリジナルグッズの作成が可能です。
また、「予約販売 App」を利用すれば、予約を受け付けることで、必要な分だけ製品を生産することもできるようになります。
くわしくは下記の記事をご覧ください。
集客は低予算ではじめてみよう

ショップで集客するにはオープン前〜直後の集客が肝心です。SNS運用などももちろん重要ですが、最初は最低限の予算で広告を出稿するのがおすすめです。
というのもSNS運用などで集客を行おうとするとどうしても時間がかかってしまうから。
低予算でもいいので、広告を打てば必ずショップにお客様がやってくるので、「売れたか売れなかった」、結果をみて改善をすることができます。
事例からみる「BASE」でネットショップ開業を成功させるコツ
「BASE」でのネットショップ開業を成功させるため、次はショップの実例を見ながらコツを解説します。
店舗販売サービスの利用・SNS運用など、ネットショップを成功させるにはいくつか押さえたいポイントがあります。ブランドの方向性や扱う商品も踏まえつつ、参考にしてはいかがでしょうか。
きっかけはインフルエンサー!SNSでの発信が鍵になるかも
ハンドメイド・セレクトアクセサリーブランド<FUIUCHI>さんは、インフルエンサーに紹介されたことで一気に人気の火がつきました。
しかし、紹介に至るまでにはオーナー様が日頃からコツコツとInstagramを運営した積み重ねがありました。
商品をより幅広いファンに届けるにはSNSの上手な運用が肝心です。
まずは毎日の投稿や魅力的な商品紹介など出来ることから始めましょう。インフルエンサーなど影響力のある方の手を借りれば、商品やブランドの魅力を発信できるでしょう。
コンセプトは大事!自分の気持ちをヒントにほしいものを販売しよう
レザーアイテム・ジュエリーなどの複合ブランド<101010 -ten ten ten->さんは、「自分のためのモノ選び」がコンセプト。
ブランド名にもあるように、「自己満足度」「高揚感」「創造性」の3つで自分に10点満点をあげられるようなブランドを目指しています。
<101010 -ten ten ten->の商品は、「自分のようにこだわりを持つ方でも選ぶような商品を」というオーナー様の考えのもとで制作されています。このように、「どんな人に買ってほしいか」「誰に届けたいか」という顧客のペルソナを考えることが重要です。
またコンセプトにあるように「買ったあとどんな気持ちになってほしいか」という感情もよりよい購買体験には重要です。商品やブランドを設計するさい、こちらも合わせて考えてはいかがでしょうか。
【ネットからリアルへvol.6】自分のためのモノ選びを提案。新しいものを生み出し続ける<101010 -ten ten ten->の魅力とは
思い切って投資することも大切!また、ファンとの交流も重要
サーフィンを始めとしたアウトドア用のアクセサリーブランド<Free Hope>さんは趣味のアクセサリー作りから始まりました。
最初はブランドを大きくしようとは考えていなかったオーナー様ですが、注文が増えたタイミングで思い切って什器やロゴをオーダーメイドで発注。
「やっとお客様にちゃんとした“商品”を届けられる」という自信につながりました。
またオーナー様は、Instagramをフォローしてくれた方にひとりひとり丁寧なメッセージを送っています。
このように、DMのやりとりを可能な範囲で徹底することでファンとの心の距離が縮まり、さらなる交流や購買につながりました。
最初から広告費をかけたことが成功の秘訣?
思い切って最初から広告費をかけることもおすすめです。
<Ambiance Paper>さんの商品は商品撮影に使用する「背景紙」というあまり見かけないもの。オーナー様も当初は「売れなかったらどうしよう」と不安を感じましたが、広告を出したことでその日のうちにはじめての売上が出ました。
InstagramAPPなら1日500円から広告を出稿できます。投稿がそのまま広告になるので、追加の手間も必要ありません。最初は少額から広告を出し、ショップが軌道に乗ったら徐々に広告費を増やしてはいかがでしょうか。
ネットショップ開業で知っておきたい知識
ネットショップの開業で知っておきた知識についていくつか紹介します。
販売する商品によっては許可がいる
まずネットショップでは何でも売っていいわけではないことを知っておきましょう。下記のように販売するためには、許可や資格が必要なものも存在します。
扱う商品/サービス | 関連法律 | 申請する許可/届出等 | 許可を申請する場所 |
---|---|---|---|
中古品の買い取り・販売 | 古物営業法 | 古物商許可 | 所轄の警察署 生活安全課 |
食品の販売 | 食品衛生法 | 食品衛生法に基づく営業許可 | 所轄の保健所 |
健康食品の販売 | 食品衛生法 医薬品医療機器等法 薬機法※種類による | 医薬品医療機器等法に基づく許可 ※種類による | 所轄の保健所 各都道府県の薬務課 ※種類による |
酒類の販売 | 酒税法 | 通信販売酒類小売業免許 ※ネットショップで2つ以上の都道府県に販売する場合 | 所轄の税務署 |
医薬品の販売 | 医薬品医療機器等法 | 薬局開設許可 医療品販売許可 特定販売届出 | 所轄の保健所 各都道府県の薬務課など |
化粧品の製造・販売 | 医薬品医療機器等法 | 薬機法 化粧品製造販売許可 ※ブランド化粧品を直接輸入販売する場合 医薬部外品製造販売許可 ※国内の製造業者や輸入業者からの仕入れの場合は不要 | 所轄の保健所 各都道府県の薬務課など |
その他、下記の記事でも解説しているので確認しておきましょう。
ネットショップの仕入れ先・おすすめ一覧
以下ではネットショップで扱う商品のおすすめ仕入れ先を紹介します。
①国内で仕入れる
・問屋や仕入れサービスを利用する
→問屋(とんや)は制作者から安く商品を仕入れ、小売店に卸す店舗のこと。最近はインターネット上の仕入れサービスも増えました。店舗やショップをもつオーナーにしか売らないという問屋も少なくないため、まずは購入できるか調べるとよいでしょう。
・見本市に参加する
→年に数回商品や業界ごとに行われるイベントです。問屋と同様に専門の事業者が中心のイベントですが、最近は一般消費者でも入れる見本市が増えています。
・クリエイターやメーカーと直接契約する
→仲介業者を挟まず製作者と直接契約します。後々のトラブルが起きないよう、料金や著作権については最初によく交渉する必要があります。ある程度運営に慣れてからの方がおすすめですが、もし実現できれば原価率を抑えて利益を上げられるでしょう。
②海外で仕入れる
・サイト経由で仕入れる
海外の卸売りサービスを利用します。代表的なサイトはアメリカの企業「ebay」や中国企業の「aribaba」です。基本的な利用方法は日本の仕入れサービスとも近く、うまく利用すれば海外にしかない商品を安価に仕入れられます。
利用には一定の英語力が求められるため注意が必要です。また日本と比べると輸送や梱包が大雑把な場合も多いので、商品が傷つく・トラブルが発生する場合もあります。
まとめ
個人でのネットショップ開業は売りたい商品と販売サイトがあれば簡単にはじめられます。
一方で、長く愛されるショップを作るにはブランドコンセプトの決定や商品の選定・届け出など、事前にしておきたい準備が少なくありません。
「BASE」ならネットショップ開設や販売・広告にまつわる手間を減らし、ブランドや商品について考える時間をさらに増やせます。
今回紹介した失敗しない秘訣を踏まえ、ぜひ「BASE」でショップ運営にチャレンジしてはいかがでしょうか。