ショップ開設後にある程度の売上が確保できて、安定してきたら、つぎは新商品の開発や仕入れも検討しましょう。
既存の商品が売れている場合でも、取り扱う商品のバリエーションが少なく、新商品が販売されなければ、新しいお客様だけではなく既存のお客様も離れてしまう可能性があります。
「とはいえ、どんな商品を作ればいいの?」と疑問もあるかもしれません。
しかし、ショップのの売上データやInstagramのインサイトデータなど、「すでにあるデータ」を活用すれば、自ずと答えは出てくるのです。
目次
新商品を検討しよう
売上が安定しているのに新商品を検討した方がよい理由は、既存の商品にはない魅力で売上アップにつなげるためです。
お客様のニーズは変化していくため、今売れている商品が今後も売れ続ける、という保証はありません。新商品を販売することで、新商品に興味を持った新規のお客様や、既存顧客のリピーターを増やせる可能性が高まります。
ただし、商品によって売れるもの、売れないものがあるため、新商品を選定するさいは、お客様のニーズを考慮した上で検討しましょう。
新商品の検討方法について
では、実際にネットショップにおいて、新商品とはどのように考えていけばよいのでしょうか?
新商品を考える方法は、挙げればキリがないほどさまざまな考え方がありますが、もっとも単純で取り組みやすいのは「お客様が求めているものを用意する」ということです。
たとえば、アパレルの場合、大人っぽい服よりもフェミニンな服のほうがフォロワーさんの反応がよかった場合は、「なぜフェミニンな服のほうがよい反応だったのか」「競合になるショップがいないのか」などの理由を分析した上で、フェミニン系の商品を用意する、というのが、シンプルですがおすすめです。
とはいえ、「反応がいい/悪い」というのは、客観的にはわかりにくいですよね。そういう場合は、データを活用して反応を確認してみると、精度が上がります。
データ1. Instagramのインサイトデータ
まずは、Instagramのインサイトデータをチェックしてみましょう。インサイトとは、Instagram内で利用できる、分析機能です。
投稿内容やプロフィールが、どれくらいの人数のユーザーに閲覧されているのかなど、さまざまなデータを分析するさいに便利です。インサイトを活用すれば、新商品を検討するさいに役立てられます。
たとえば、Instagramで投稿された商品写真の中で、「いいね!」や「保存」などのアクションが多いものから、ユーザーの興味や関心が高いものを見極めることも可能です。
ただし、インサイトを利用する場合は、プロアカウントへの切り替え(無料)が必要です。下記記事にくわしく載っていますので、ご確認ください。
では、データの種類や、どのように新商品の検討に活かせばよいのか、例を挙げて解説します。
データの生かし方
チェックすべきなのは、Instagramの投稿のなかでも、保存数が多い商品やインプレッション数が高い商品です。インプレッション数とは、Instagramの投稿が閲覧された合計数のことです。
保存数やインプレッション数が多い商品は、ユーザーから注目されている可能性が高い、といえます。
たとえば、アクセサリーの投稿のなかで、ゴールド系の保存数が多かった場合は、ゴールド系のアクセサリーが注目を集めていることが考えられるため、新商品を検討するさいにゴールド系のアクセサリーを重視して仕入れをする、という判断ができます。
また、樹脂ピアスの投稿のインプレッション数が圧倒的に多い場合は、金属アレルギーや肌が敏感な方が多いなど、樹脂素材のニーズの高さが読み取れるため、既存のピアスの選択肢に、樹脂素材のピアスを追加するとよいでしょう。
ストーリーズも活用しよう
ほかにも、Instagramのストーリーズで利用できるアンケート機能の活用もおすすめです。アンケート機能とは、ユーザーに2択の質問をおこなえる機能で、ユーザーのニーズを探ったり、エンゲージメントの高いユーザーを見極めたりするのに便利です。
たとえば、アンケートの背景画像に樹脂ピアスを設定して、質問文に「樹脂ピアスを試してみたい」と入力し、回答に「はい」「いいえ」を設定すれば、かんたんにアンケートを作成できます。
ストーリーズでアンケートを投稿し、反応の大きさや回答結果から、樹脂ピアスのニーズを探れます。
データ2. BASEのレポートをチェックする
BASEのレポート機能からも、注目度の高い商品を確認できます。
たとえば、閲覧数やお気に入り数の多い商品、売れている商品などをチェックしてみましょう。閲覧数やお気に入り数が多い商品は、お客様が好む系統だと知ることができます。
また、売れている商品が、季節やイベントなどの一過性のものなのかがわかれば、販売時期やタイミングにあった仕入れ量を把握しやすくなります。
たとえば、ピアスのデザインがクリスマスをイメージしたものであった場合は、クリスマス前後の需要しか見込めない可能性があることがわかります。
クリスマス関連の商品を販売する場合は、ハロウィンが終わった11月ごろからクリスマスまでを販売時期に設定し、販売時期に間に合うように、仕入れをすませておきましょう。
お気に入りにたくさん入っているのに売れない商品
ただし、お気に入りに入っているものの売れていない商品がある場合は、売れない原因についても考えておくこともたいせつです。
お気に入りに登録されているものの商品が売れていないのは、いわゆる「カゴ落ち」と同じ状態にあるといえます。
カゴ落ちとは、商品をカートに入れても購入されないことです。
お気に入りへの登録は、興味や関心があることを示しますが、結果的に売れていないため、購入までの導線になんらかの問題があったのかもしれません。
たとえば、配送料金や手数料が高い、配送までに時間がかかる、利用したい決済手段がない、会員登録が必要、などの要因が考えられます。
このように、売れない理由を無視して、お気に入りの数の多さだけで商品の仕入量を決めてしまえば、商品が売れ残る可能性が高まります。
3. 競合ショップをチェックする
競合ショップの売れ筋や、人気商品などを確認するのも一つの方法です。売れ筋や人気商品を確認する方法を、3つ紹介します。
①何種類も展開されているものを見つける
1つ目は、何種類も展開されている商品を確認する方法です。カラーバリエーションが多いなど、展開されている種類が多いのは、人気商品である証拠です。
売れていない商品のバリエーションを増やしても、在庫が多くなるだけなので、何種類も展開している商品は、人気が高いと考えられます。
②人気ランキングを見る
2つ目は、人気ランキングを見る方法です。一般的なネットショップでは、売れ筋や人気ランキングを掲載しているため、人気ランキングを見れば、競合ショップでいちばん売れている商品を一目で確認できます。
③広告が出されているものを見つける
3つ目は、広告に使われている商品をチェックすることです。広告に掲載している商品は、広告の掲載料を支払ってもペイできるほど、売れている可能性があります。
競合ショップで売れている商品は、あなたのショップでも売れる確率が高くなる、と推測できます。
しかし単に競合ショップと似たような商品を扱えばいいという話ではありません。
本質的に、なぜ競合ショップでその商品が売れているのか、その理由がわからなければ、再現性はないのです。
たとえば、人気ランキングで1位の商品がなぜ売れているのか、現在のトレンドにあったものなのか、商品の魅力だけでなく、販売方法を工夫しているのか、競合ショップのコンセプトやターゲットのニーズにあったものなのか、などを検証することが大切です。
また、商品を仕入れるさいに、カラーバリエーションを増やす、限定品やコラボ商品などの特別感のある商品を販売する、などすれば、競合ショップと類似の商品を扱う場合でも、差別化につながります。
コラム|新商品へのヒント
ここまで、新商品を考える方法として、すでにあるデータを活用することを紹介してきましたが、ほかにも世の中には、新商品のヒントがたくさん転がっていますので、最後に紹介しておきます。
トレンドを追いかける
新商品を検討する場合、トレンドに注目してみるのもよいでしょう。トレンドに沿った商品は、売れる見込みが高く、競合ショップとの差別化も可能です。
たとえば、雑誌やメディアで注目されている商品をチェックする、トレンドを生み出しているインフルエンサーのSNSをひたすら追いかける、海外のトレンド情報をリサーチしてみる、などの方法を試してみましょう。
情報検索用のアカウントを作成してみる
運営用アカウントとは別に、情報検索用のアカウントを作成するのも、一つの方法です。
情報検索用アカウントを作成することで、特定のキーワードを入力して、ひたすら検索してみるのもよいでしょう。
たとえば、あなたのショップで売っている商品のジャンルを絞った検索結果から、ユーザーにはどのように見えているのか、を確認することも可能です。
「発見」タブを毎日見てみよう
Instagramの「発見」タブを、毎日チェックするのもおすすめです。
「発見」タブとは、Instagramの検索機能の一つで、Instagramを開いたときの画面下にある「虫メガネ」アイコンをタップすると、利用できます。
「発見」タブを利用すれば、フォローしているアカウントや、「いいね!」をした投稿などの情報に基づき、フォローしていないアカウントの投稿が表示されます。
たとえば、画面上部の検索窓にキーワードやハッシュタグ、ユーザー名などを入力すると、該当する投稿画像が一覧で表示されます。
「発見」タブで投稿を検索すれば、Instagramで注目されているものをリアルタイムでチェックできます。
- あらゆるデータが新商品のヒントになる!
- 競合、SNS、自ショップ、いろいろ見てみよう!